魅力的なFOB価格の中国EVを見つけたとしても、その数字は車を自社の在庫置き場に並べるまでに口座から出ていく額のごく一部にすぎません。この記事では各コスト要素の構造的な比率を分解し、見積りを依頼する前に自分の陸揚げ総額を試算できるようにします。
注記: 以下の数値はすべて構造比率、つまり陸揚げ総額に対する割合であり、具体的な金額ではありません。お客様の状況に応じた正確な数値は、見積りごとに確認します。
7つのコスト要素
1. 車両(FOB上海)
通常は陸揚げ総額の55〜85%で、市場の関税負担によって変わります。UAEのような低関税市場では車両が支配的なコストのままですが、バングラデシュのような高関税市場では車両の比率が大きく圧縮されます。
2. 海上運賃
単体出荷では陸揚げ総額の2〜6%、コンテナ満載なら1〜3%まで下がります。コンテナか、RoRoか、ばら積みかで実質的な差が出ます。上海からの定期航路(UAE、東南アジア、ロシア極東)は、不定期のルート(海と陸を乗り継ぐ中央アジア、バルカン)より1台あたりの費用が安く済みます。
3. 海上保険
CIF価額の0.5〜1.5%。ここを省いてはいけません。無保険の車両を海上で失うことは、小規模ディーラーには受け止めきれない財務的打撃です。保険料はリスクに比べれば端数に等しい額です。
4. 仕向港での荷役
1〜3%。荷揚げ、コンテナ荷役、ターミナル費用、仕向港での書類費用を含みます。港ごとに個別に見積もってください。ジェベルアリの荷役と、ラゴスの荷役と、チッタゴンの荷役はそれぞれ別物です。
5. 通関業者
1〜3%。現地の通関業者に、通関書類の提出、港での代理、貨物の引き取り手続きを任せます。払う価値があります。自分で通関しようとして浮かせた分は、初歩的なミスによる最初の遅延で消えます。
6. 関税と諸税
ここが変動費です。UAEおよび湾岸諸国の大半ではCIFの10〜15%(関税+付加価値税)。欧州と中南米の多くでは20〜35%。ナイジェリアでは30〜45%。バングラデシュの完成車では100%超。この一項目が、市場ごとの陸揚げ総額の差を最も大きく左右します。
7. 認証と登録
1〜3%。適合証明書の準備、現地の型式認証申請、初回登録、ナンバープレート。市場によって異なります。英国の個別車両認証やマレーシアのJPJ手続きのように1台あたりの費用が構造的に高い市場もあれば、定型作業で済む市場もあります。
構造的な内訳 — 代表的な3市場
UAE(完成車)
- 車両FOB: 約85%
- 運賃+保険: 約4%
- 港湾荷役+通関: 約2%
- 関税+付加価値税: 約8%
- 登録: 約1%
UAEがディーラーに好まれる理由: 関税負担が軽いため、車両が支配的なコストのままになります。陸揚げ総額がFOBに近い水準にとどまるので、プレミアムな位置づけが成り立ちます。
バングラデシュ(SKD)
- 車両FOB: 約65%
- 運賃+保険: 約5%
- 港湾荷役+通関: 約3%
- SKD関税+付加価値税: 約22%
- 現地での再組立+登録: 約5%
完成車として分類されると関税分だけで50%を超えかねません。バングラデシュ向けの数量にはSKDが構造的に正しい選択なのは、このためです。
ナイジェリア(完成車、10台コンテナ)
- 車両FOB: 約60%
- 運賃(コンテナ混載): 約4%
- 保険: 約1%
- ラゴスでの荷役+通関: 約3%
- 関税+賦課金: 約28%
- 登録: 約4%
コンテナを満載にすると1台あたりの運賃が大きく下がります。西アフリカのディーラーが単体のRoRoより10台コンテナを好むのはこのためです。
これらの比率の使い方
狙っている車両のおおよそのFOB価格(見積りで確定しますが、中国国内の公表小売価格に輸出マージンを上乗せして推定できます)に、上記の市場別比率を当てはめて陸揚げ総額の概算を出してください。これで正確な見積りが出るわけではありません。ただ、検討中のカテゴリーが自社の顧客層にとってそもそも妥当な価格帯にあるかどうかは分かります。
概算で成り立たないなら、精密な見積りを取っても直りません。概算がもっともらしく見えるなら、そのときこそ見積りを取る価値があります。